『死神』という落語があります。そこでは命はろうそくに例えられ、「その炎が弱まっているだけの時は“死神”が足元に座っていて追い払うことができるが、ろうそくそのものが尽きるときは“死神”は枕元に座っておりこれは助けられない。」というお話です。
医療の本質もこんな感じじゃないでしょうか?
私もまだ寿命があるなら人事を尽くして健康を保ちたいですが、尽きようとする寿命には潔くその定めに従いたいものです。
『利己的遺伝子説』によると生物個体は遺伝子のビークル(乗り物)とされています。とすれば遺伝子を伝える能力と機会を喪失したのちは、遺伝子が引き継がれた次世代ビークルを支援することがそのビークルの存在意義と言えるでしょう。「次世代ビークルの活動を阻害してまで生存し続けよう」とするのは遺伝子的には「本来のビークルの目的を逸脱している」と私は感じます。